2018年5月31日 学校法人城西大学記者会見に対する水田宗子氏弁護士のコメント

             会計調査委員会の最終報告書について                

                                 弁護士 大室俊三

本日,学校法人城西大学会計調査委員会が作成したという最終報告書の要約版などが公表されました。

これは初めて目にするもので十分な検討はもちろんできておらず,この要約版でM前理事長と表記されている私の依頼者との協議もできていないので,あくまでも,前理事長がかかわる訴訟の代理人である弁護士としての感想をのべコメントにかえることとします。

会計調査委員会の設立及びその委員の選任は理事会の議を経ておらず,そもそもその会計調査委員会の正当性自体重大な懸念があるところ,今回の最終報告書では,「会計」にとどまらず,名誉毀損で告訴しなかったことなどまで問題にしており,いかなる権限があってこれができるのか疑問です。

又,第1回の報告書は,本来尋ねるべき人に対するヒヤリングを全くしようともせずに結論を出し学校法人はこれを公表しました。なすべき調査がなされていないとの批判されるやアリバイのように事情聴取の要請を公表後にあわててしたものの対象から拒否されるなど,会計調査委員会の事実調査には,目覆うべき不備が既に明らかになっています。今回の報告書がこれを踏まえてなされたとも思えず,この点からも報告の妥当性は限られていると言わざるを得ません。

また,指摘内容についても,一読した限りでも明らかな不合理があります。今回の最終報告書で金額のうえで最も大きな問題は水田前理事長の退職金を退職前に支給していたとの点ですが,これは水田前理事長が理事長になる以前からの慣行に従っただけでなく,常務理事会での議を経ているものです。70歳を超えて学長を務めた人について,70歳の時点で退職金を支給した例は,現在の理事を含め複数存在するのであり,ことさら水田前理事長に対して特段の優遇策をとったものでもありません。そもそもこの措置は,勤続年数に比例する退職金の高額化を防ぐため,70歳以降の勤務を退職金に反映させないための処置です。この処理については,学校法人の会計監査に当たる公認会計士からも問題だとの指摘は受けておらず,また決算は,現在の理事長も理事であった理事会でも承認されてきた取扱です。水田前理事長についてこれを問題視する現理事会の厚顔さにはあきれるばかりです

その他の報告書の問題点は多々感じますが,ご本人と協議ができていない段階でのコメントとしてはこの程度とします。

一言でまとめれば,会計調査委員会の「会計最終報告」は,調査委員会設立及び委員選定の正当性,事実調査の手法,報告内容のいずれの点からも極めて遺憾であり,水田前理事長の訴訟代理人として本件について関与してきた弁護士として,到底指摘の妥当性を認めることはできません。

水田宗子さんを支援する会

「水田宗子」をインターネットで検索すると、逮捕、不適切な支出、不正、横領など、情報不足による憶測や一方的な記事が多く目にとまります。水田宗子さんの名誉回復を支援する会ではそういった狭い視野ではなく、もっと広い視野で水田宗子さんの身に何が起こっているか、皆さんの公正な目で判断いただけるよう情報を発信していきます。

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