城西大学に対する運営調査委員による調査結果について

現在係争中の水田さんを原告、小野元之理事長代理(元文科省事務次官、公益財団法人パナソニック教育財団理事長)を被告とする損害賠償請求事件の裁判記録に、


「学校法人運営調査委員による調査結果の通知」


があり、平成29年2月13日付で提示されている。

この通知によれば、学校法人城西大学に対して、学校法人運営調査がなされて、調査結果、学校法人運営調査委員会から指導・助言があり、その指導・助言事項について大学に通知されたようである。

一方、城西大学教職員組合が発行している


「城西大学 組合ニュース」Vol. 34. No. 12 (2016.12.22)


によれば、小野氏は、2016年12月9日の理事長代理あいさつにおいて、次のような発言をしているようである。


「文科省は学校法人城西大学に非常に厳しい目で見ております。財政支出の面が本当にきちんとしているのか、あるいは、設置基準をしょっちゅう割っているような大学を作ってはいけないのではないかというようなことを文科省も言っております」
「文科省の調査結果がどうなか、まだわかりませんけれども、いずれにしてもかなり厳しいことを言われていることも事実でございます。」


実際の調査結果と小野氏の発言は大きな乖離があるようである。

まだ調査結果が出ていない2016年12月9日時点でなぜ小野氏が上記のような発言をしたのかは明らかではないが、この発言を聞いた者には誤解を招きかねない発言となるのではないか。 


なぜなら、小野氏は元文科省事務次官だからである。


元文科省事務次官の方が、


「文科省は学校法人城西大学に非常に厳しい目で見ております。財政支出の面が本当にきちんとしているのか、あるいは、設置基準をしょっちゅう割っているような大学を作ってはいけないのではないかというようなことを文科省も言っております」

「文科省の調査結果がどうなか、まだわかりませんけれども、いずれにしてもかなり厳しいことを言われていることも事実でございます。」


と発言したら…この発言を聞いたら、一般に次のように考えるのが自然であろう。


① 文科省は城西大学を非常に厳しい目で見ている。
② 城西大学は財政支出の面がきちんとしてない、設置基準を満たしていない、と文科省は考えている。 
③ 文科省の調査結果はかなり厳しい。 


文科省事務次官は、文科省の事務方のトップである。 

ゆえに、文科省事務次官は大学行政に精通しているし、関連法令も熟知していると一般には思われるであろう。 

その文科省事務次官経験者が、上記のように発言するのであるから、①②③のように発言の内容を捉えられても仕方がないであろう。 


しかし、実際の調査結果は、大学に対する指導・助言をするという程度のものであった。 


文科省が私立大学を管轄して、私立大学が国からの補助金で大学の運営をしている現状において、文科省の意向というのは、私立大学への影響力が大きい。  


小野氏の発言は、小野氏が元文科省事務次官であるがゆえに、城西大学に対する文科省の厳しい目というのが本当であると一般に思わせる。

そして、その厳しい目が城西大学においては大きな影響力がある。
これが大きな問題であろう。 

さらに、小野氏の発言には事実と異なる発言があるが、何を根拠としてこのような発言をしたのであろうか。 

これも大きな問題である。 


こうした問題がある小野氏が、水田先生の理事長解任動議を理事会で可決させ、自ら理事長代理となっている。 


文科省の城西大学に対する影響力で小野氏は水田先生を辞めさせ、自ら理事長代理となったのであろうか。 


私立大学においては、自主性が尊重される。私立学校法では、


「所管庁がその権限を行使する際には、あらかじめ私立学校審議会又は大学設置・学校法人審議会への諮問を初完投に義務付けることにより、その権限行使の慎重を期することとしている。」(小野元之『私立学校法講座 平成21年改定版』(霞出版社、平成21年)12ページ)


ゆえに、法律上は私立大学の自主性を尊重するため、文科省の権限行使を慎重にするようにしており、私立大学に文科省が悪影響を与えないようにしているようである。 


今回の小野氏の言動は、城西大学に文科省の悪影響を与えることになってはいないか。城西大学の自主性が害されていないか。 


さらに、小野氏は、法人事務局長に北村幸久氏(元文科省審議官)を選任した。 


さらに文科省の城西大学に対する影響力が高まることになるのか。 


大学の自主性が尊重されることで、城西大学、城西国際大学及び城西短期大学が学生・保護者・卒業生・教員・職員・企業・寄付者・マスメディア・地域住民・私学事業団・地域行政・大学の理事者・付属・係属系学校及び当該学校の学生・将来の世代・受験生・受験生の父母・大学のファンなど、全ての大学関係者のために、よりよい大学になることができる。

現状において、水田先生、武富氏、大学院生、ジェンダー学・女性学の研究者の方々、城西大学の関係者は苦しんでいる。 


大学の自主性を尊重するために、

こうした方々が苦しまないように、

すべての大学関係者にとってよりよい大学にするために、

文科省の城西大学に対する影響力の問題について、真剣に考えていこうと思う。 

水田宗子さんを支援する会

「水田宗子」をインターネットで検索すると、逮捕、不適切な支出、不正、横領など、情報不足による憶測や一方的な記事が多く目にとまります。水田宗子さんの名誉回復を支援する会ではそういった狭い視野ではなく、もっと広い視野で水田宗子さんの身に何が起こっているか、皆さんの公正な目で判断いただけるよう情報を発信していきます。

0コメント

  • 1000 / 1000